磁石のことなら25年の実績の株式会社マグファインに
品質管理と検査規格には国内海外含め、様々な機関で提唱推進されています。管理検査体制の国際的規格では、国際標準化機構が定めるISOと、国内では日本工場標準調査会が定めるJIS規格があります。品質・物質・製品の規格では欧州のREACH・RoHS・PFOSがあります。弊社国内の工場ではISOを所得しておりませんが、それぞれ定められた規格に従い、製造工程と検査規格の標準化に努めています。
希土類磁石の代表である、ネオジム磁石の品質管理工程をご紹介致します。これらの製造現場は、弊社と提携を結んだ中国のOEM製造工場の協力を得て掲載し、ご紹介しています。(フェライト磁石・サマリウムコバルト磁石など、材質により製造工程が異なるので品質管理の行程も若干の違いがあります。)弊社製品の設計・製造・完成までの管理工程では、現地弊社社員が常駐対応し、不具合品の混入を防ぐよう、徹底した管理と検査を行なっております。万が一不具合が発生した場合、トレーサビリティーにより問題の発生源の特定と改善に努めています。
以下に示す抜取検査規格は、日本工場標準調査会が定める検査基準の一つです。必要に応じて検査基準と抜取個数Nを決めることができます。バラツキ・公差・標準偏差値は、この抜取個数に依存し規格されます。検査規格:JIS Z9015/検査水準 S4/AQL 1%
ロットサイズ | きつい検査 | なみの検査 | ゆるい検査 | |||||
(1ロットの個数) | 抜取数 | 合格判定個数 | 抜取数 | 合格判定個数 | 抜取数 | 合格判定個数 | ||
2 | 〜 | 8 | 2 | 0以下 | 2 | 0以下 | 2 | 0以下 |
9 | 〜 | 15 | 2 | 0以下 | 2 | 0以下 | 2 | 0以下 |
16 | 〜 | 2 | 3 | 0以下 | 3 | 0以下 | 2 | 0以下 |
26 | 〜 | 50 | 5 | 0以下 | 5 | 0以下 | 2 | 0以下 |
51 | 〜 | 90 | 5 | 0以下 | 5 | 0以下 | 2 | 0以下 |
91 | 〜 | 150 | 8 | 0以下 | 8 | 0以下 | 3 | 0以下 |
151 | 〜 | 280 | 13 | 0以下 | 13 | 0以下 | 5 | 0以下 |
281 | 〜 | 500 | 13 | 0以下 | 13 | 0以下 | 5 | 0以下 |
501 | 〜 | 1,200 | 20 | 0以下 | 20 | 0以下 | 8 | 0以下 |
1,201 | 〜 | 3,200 | 32 | 1以下 | 32 | 1以下 | 13 | 1以下 |
3,201 | 〜 | 10,000 | 32 | 1以下 | 32 | 1以下 | 13 | 1以下 |
10,001 | 〜 | 35,000 | 50 | 1以下 | 50 | 1以下 | 20 | 1以下 |
35,001 | 〜 | 150,000 | 80 | 1以下 | 80 | 2以下 | 32 | 1以下 |
150,001 | 〜 | 500,000 | 80 | 1以下 | 80 | 2以下 | 32 | 1以下 |
500,001 | 〜 | 125 | 2以下 | 125 | 3以下 | 50 | 2以下 |
外観検査は全て目視検査によって行われています。目視に頼るため、残念ながら外観の不具合・不良品を完全に防ぐ事はできません。外観不良の限度は、サイズにより基準が異なります。基本的に以下の様な外観限度を規格しています。外観を重視したり機械的強度を求める製品については、予め限度規格を設け、製品仕様上で取り交わしを行います。また磁石は物理特性上、陶器・硝子と同じ割れ物の部類になるため、欠け・打痕を完全に防ぐ事はできません。そのため磁気特性を低下させるような、大きな欠けや、表面処理が剥離して腐食に繋がるようなものではない限り特採となります。
外観限度見本
※1 全項目について目視判断とする。※2 検査基準を限度見本で規定した場合は、限度見本を優先する。
磁力を測定する磁気計測機器は検査目的によって種々ございます。以下は主に磁石業界で使われている代表的な測定機器になります。
メーカー | 型式 | ホール素子 プローブ |
プローブの画像 | ネオジム磁石 φ10mm×10mm |
備考 |
電子磁気工業 株式会社 |
GM-4002 | T-401 | 506.5mT | 据置型 並精度 |
|
T-402 | 535.1mT | 据置型 高精度 |
|||
カネテック 株式会社 |
TM-601 | TM-601PRB | 488.0mT | 携帯型 簡易精度 |
|
株式会社 マグファイン |
磁気計算器 | 494.1mT | 磁気計算式による予測値 |
測定器とプローブの違いによる測定結果の違い。試験試料 ネオジム磁石φ10mm×10mm
磁束密度計の誤差を補正・校正する磁石を標準磁石といいます。テスラメーター・ガウスメーターなどの磁束密度計測機器も、精密器械であるため経年や環境により計測値に誤差が生じる場合があります。これらの計測機器は、誤差が生じても人為的に手動で補正操作できない仕様になっています。その為これら磁束密度計の誤差を校正するために、標準磁石を用いて磁束密度計の定期検査を行います。同様に標準磁石も定期的に検査機関で定期検査を行い、業界規格のスタンダードであるかを確認します。
トータルフラックス(総磁束量)を測定します。磁気特性のバラツキが大きいものや低い物の有無を、量産数の中から正確スピーディーに検査することができます。全数や量産検査が必要な場合に適しています。単位はWbウエーバ又はMxマクスウエルを使用します。計測する磁石に応じたサーチコイルを作る必要があり、サーチコイルから磁石を脱着することによって変化する総磁束量を計測します。
磁性材料の材質磁気特性を測定します。これにより磁気回路設計に必要な、減磁特性やエネルギー積を求めることができます。また磁性材料毎に規格する磁気特性値が、規格範囲に入っているかどうかを確認することができます。測定するためには高い電磁場を必要とし、高電圧の電源装置が必要となります。主に磁石製造工場や磁石の研究開発機関が所有しています。
磁束密度を測定します。ホール素子を磁石表面又は空間に設置し、1平方cmの面積から出ている磁束の密度を検査することができます。磁束密度の定義は1マクスウェルの磁束が垂直に交わるときの磁束密度が1ガウスになります。計測器の単位はテスラ又はガウスが一般的に使われています。簡易的に磁気特性を検査することができるため、磁気検査機器の中で最も普及し使われています。測定数値は検査環境と検査方法の影響を受け易いためバラツキが大きく、同じ磁石を同じ環境で同じ者が測っても、計測器のメーカー・機種・プローブ(ホール素子)の精度・表面計測箇所・ 室内温度によって計測値が大きく異なる場合があります。計測環境条件は使用環境に依存するため、寸法公差のように絶対値として示すことはできません。そのため弊社製品に示す表記数値とお客様の計測値に、大きな相違がある場合があります。測定方法と環境はメーカーによって異なり、検査基準も業界統一もされておりません。最終的に基準とする検査環境と磁束密度は、ユーザー様のご使用検査環境によって求めることになります。
Copyright©| 株式会社マグファイン|All Rights Reserved. プライバシーポリシー | 古物営業法上の表示