磁気回路
磁気回路とは磁性体から流れる磁力線を、真空中・空気中に磁性体を貫き流す為に組まれた回路です。永久磁石と透磁率の高い磁性体を用いることで、磁石単体以上の高い磁場を作り出す事が可能となります。
用途永久磁石による磁気回路の主な用途は、磁場空間に晒された物質や環境に、変化をもたらす為に用いられます。特に試料に対して高い磁場を印加する場合に用いられています。磁気回路の特性を生かした応用製品は様々ありますが、高い磁場を作り出す目的に限れば、製品というより、大学の研究機関や企業法人の実験目的に多く用いられています。
設計
予測した計算値通りの磁気特性を得られるかどうかは、この設計段階によって決まります。磁気回路を組むことによって発揮させることのできる磁気特性にも限りがあり、設計は磁石単体の材質と形状を決めるところから始まります。期待できる磁気特性は、磁石とヨークの材質と形状と使用環境に依ってほぼ決まりますが、これらの条件から予め得られる磁場を予測し、設計する必要があります。
組立
設計と組立には確かな技術と計算が必要です。磁力線は目に見えない為、想定外の動きや結果をもたらす事があります。磁力が強力なため、組立行程で衝突や破損する恐れがあり、場合に依っては相当な危険が伴う為、万全な安全策をとって組立てていきます。小型でも高い磁力の場合は細心の注意が必要で、経験を積んだ熟練の作業者でなければ、容易に組立る事はできません。
設計依頼・お見積
3.使用環境 4.予算(高磁力程危険が伴い高額となります。) 磁気回路のお見積もりはこちらからどうぞ
磁気回路のお見積には、設計製図と磁場計算を行う必要があるため、ある程度の時間を要します。価格はサイズが大きければ高額となり、10kg前後の小型でも数10万円、100kg以上の大型になると数100万円の高額になります。設計とお見積のご依頼には、少なくとも以下の様な情報が必要になります。ご依頼の際は、予め確定、或いは想定の上ご相談下さい。
1.用途・目的 2.製品仕様図3.使用環境 4.予算(高磁力程危険が伴い高額となります。) 磁気回路のお見積もりはこちらからどうぞ
制作実績
種類
磁気回路にも用途目的に応じて種類形状が異なります。以下は代表的な基本形状を表したもので、高い磁場を作り出すことを目的としたものです。磁力線を長く飛ばしたり、回転トルクを上げる等の目的になると、更に形状種類は増えて異なります。今日の工業・産業用製品に使われている磁石の殆どは、これらを応用した何らかの磁気回路が組み込まれています。